このレビューはネタバレを含みます▼
2019年に書かれたこの本の中でイスラム教徒は18億人とありますが、最近 筆者の動画を見ましたら、もう20億人を越えていると発言されていました。筆者は20歳からイスラム教について学び、イスラムの国々に住んできた方です。イスラム教は「コーラン」などの啓示を絶対視し、啓示の解釈によって構築された規範を有する極めて論理的な宗教であると書かれています。イスラム法学者が作り出した解釈=「共生の知恵」によってバランスをとってきたイスラムはインターネットの出現によって直に「コーラン」の教えに触れ、先鋭化している。それを「イスラム2.0」と表現されています。イスラム教の是非については全く触れられてはいません。ただ啓示において他教徒は敵であり、殺害対象だと規定されていて、全ての人間はイスラム教徒になるべきであり、同性愛は認めず、女性の地位は低く、酒、タバコは禁止という近代的な価値観とは相容れないもので、経済成長に必要とイスラムの移民を大量に受け入れた欧州の現状(2019年ですが)についての項を読むと暗鬱な気持ちになります。すでにいくつかの国ではノー・ゴー・ゾーン(警察が立ち入ることのできなくなった地域)ができているそうです。欧州のイスラム暴動を単なる差別への反発ととらえていると移民問題は解決しません。日本でも最近ようやくイスラム問題をマスコミが報道するようになりました。筆者はイスラム教徒に日本の法令を遵守させ、例外を認めないことが重要であると主張しています。イスラム教徒は居住する国の法律よりも啓示とイスラム法を行動原理にします。だからこそ例外を認めることは危険だと。欧州はイスラム教徒との融和政策に失敗したかに見えます。日本では成功するのでしょうか。移民は安価な労働力を提供し、税金を払ってくれると単純に思っていていいのでしょうか。欧州では移民が福祉頼みの生活になっていることが多いそうです。この本には日本人が気を付けることが多く書かれています。日本がヤバイと感じるのは杞憂でしょうか。とても恐ろしくて勉強になりました。ぜひ政治家に読んでもらいたいです。