このレビューはネタバレを含みます▼
晩年を迎えた夫夫の積み重ねてきた日常を紐解いていく物語。過去と現在を上手く絡ませながら穏やかでいて、尚且つ胸の奥がじんわり温かい気持ちになった読後感。しばし余韻に浸る‥じ~んときました。
いい年したおじさん達(おじいさん?)なんだけど、いつまでもお互いを思いやる気持ちはずっと変わらない、そんな2人。
勿論あちらも未だに現役という素晴らしさ!!※要ドーピング(笑)←そこもよき!!
正直エチシーンは若かりし頃をメインでみてたいかもと思った自分がいましたが、いやいやいや!それをみたいなら他の作品で思う存分摂取できるじゃないか!と、、お互いのイイトコを知り尽くした熟年労りエチはここでしか見れません!
また、昭和の香りがプンプンするなぁと気になり調べてしまいましたが(笑)カレンダーから出会ったのが昭和40年代っぽいので、今より更に偏見や風当たりが強い時代を駆け抜けてきたんですね。
でも、その大変だったであろうエピソードは意外にもピンポイントで描かれており、その先の部分は読み手に想像させるんですが、それでも十分に伝わってきました。むしろ、さらっと進むから重くならず作者様が伝えたいであろうメッセージがダイレクトに伝わりました。
家庭教師と教え子という関係から一転、一緒になるまで苦難の道のりとその先の人生を一冊に纏めあげる、正に作者様の腕ですね!
あとは真と和彦の年齢ごとの描きわけが違和感なく、2人共いい具合に年を重ねてきたんだなと思えました。有りがたかったのは、話と話のage30×40と表記♪また、教え子である和彦が家庭教師である真に対して、常に真っ直ぐで優しい眼差しを向ける姿が印象的でした。同棲生活で苦手な料理がさりげなく上達してたり‥。
思わぬ形で養子縁組する2人がリビングで誓いを立てるシーンや、お互いの遺言書を届ける行為を新鮮に感じる感性が、この2人ならではですね。
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