このレビューはネタバレを含みます▼
転生、憑依、悪魔、エクソシスト、スーパーナチュラル、運命。特殊BLですね。
大好物ばかりで、絵も美麗で、重厚感のあるストーリー、日本ではなかなか表現されにくいだろう過程、メリバですが素敵な作品でした。
海外作品ローカライズなので、日本のマンガとはコマ割りと読む順番が逆になります。
死ぬときに何を願うか。それにより魂の行き所が異なる。怒り、恨み、制裁する側も、唯一の人を守りたかったから。操られず、正しくする側でも、孤独を背負うアンビバレントな側面に救いのなさを感じるけれど、この感覚は日本人気質なのかもしれない。悪魔に捧げれば転生がない。魂の輪廻転生は仏教的な考えで、キリスト教的な考えにはないけどね。最後にランスが気づいたこと、いたたまれなかった。ギルの欲望は小さな願いから悪魔になったことで、穏やかではない欲望になってしまったんだろうなぁ。切ない。
人を大量に殺しておいて悔いているから、変わったから許してはさすがに胸糞悪いよね。だからと言って、復讐が正しいとも言えない。ギルが実存していたら違ったのかもしれないが、どちらにしても救われない。心の安穏がないのが苦しいけれど、この作品はそれでいいんだと思う。