このレビューはネタバレを含みます▼
悪臣の傀儡のような皇帝だったタオ。幼馴染すら悪臣に殺され、深い深い孤独に陥ったタオはある時、初代皇帝の霊を蘇らせてしまった。ウトサと名乗った初代の霊は妻に似た顔のタオを気にかけて、孤独だったタオのことを癒していく。悪心の所業を憂えた先代王に仕えていた大将軍は、密かに国中の同志に呼びかけ、悪臣から国を奪還します。ウトサは彼に呼応し、戦いの最中、タオを守り切りますが、致命傷を負っても死なないウトサを人々はバケモノと恐れてしまい、ウトサはタオの前から姿を消します。十年間国を立て直し、成人した弟に皇帝位を譲位したタオはウトサを探しに旅立ちます。初代皇帝の建てた離宮で、孤独に陥って、本当にバケモノ化しそうになっていたウトサをタオは愛の力で蘇らせます。akabeko先生の華麗な筆致で、流れるようにストーリーが展開していきます。ラストが良かった。永遠の愛に生きることを決めたタオとウトサ、今もどこかで二人で仲睦まじく旅をしているかもしれないと思わせてしまう美しい物語でした。