あの子の子ども
」のレビュー

あの子の子ども

蒼井まもる

中高生にみてほしい

ネタバレ
2023年8月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても現実味のあるリアルな描き方、台詞だな、と思うし、こういうことが、毎日地球のどこかで起こっているんだなと、普通に思う。
今の中高生にはみてほしい。でもだからといって必ずしも産まなければならない、ということでもないということは分かってほしい。それぞれが、それぞれの人生を背負っていて、環境が違えば答えも違う。当然産んで終わりでもなく、その先の70年があることを理解してほしい。
だから、行動には責任を持とうねと。毎日が、自分の選択で進んでいっていること、分かってほしい。何を食べ、誰とどう過ごし毎分毎秒自身でどの選択肢を選んできたか、その連続で今日まで生きてきたこと、行動には結果が伴うこと、理解してほしい。
例え高校生でも、思考は子供でもない。その点で言えば、この主人公の考え方が妙に軽く、ありとあらゆるサインが自身の体から現れているにも関わらず、なんでもない、と先延ばしにしようとする、周りを気にして隠そうとする、現実を見ないようにする、そういった行動があまりにも未熟すぎて、産むという決断をしたのはいいが、先の不安が拭いきれず、なんとも応援し難いというか、キャラを好きになれない要因にはなった。延ばせば延ばすほど、現実を突きつけられたときの衝撃は大きく、体への負担も大きいだろうに、真っ先に、何よりも一番に病院へ行ってほしい。悩むのはそれからにしよう。そう伝えたいなって、読んで思った。
あと兄の行動が唐突ではあったが、キッカケを作ってくれようとしたとても勇気のいる家族思いな行動であったと思うし、そういう人が家族であったのが良かったと思う。
最後がどうなるか分からないのだけど、こういうテーマの漫画を描く以上は、無事に産んでラストではなく、その後の子育てや生活、資金にもつっこんで描いてほしい。
そして中絶方法とかも具体的に書いてほしい。今後は、薬が主流になるのかもしれないが、器具で掻き出すことしか出来なかった時代があったことを知るべきだ。取り出された赤ちゃんが五体満足で出てくる保証もない。中絶とはそういうことなんだと。目を背けたくなることもしっかりと描いてみてもいいおもう。
産んでハピエンというなら、それはハピエンではないと思う。個人的な意見ですが。良い結末が迎えられますように。
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