ごちそうΩはチュウと鳴く【コミックス版】
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ごちそうΩはチュウと鳴く【コミックス版】

はなさわ浪雄

最近ハヤリのキツネ顔時々糸目くんの魅力🖤

ネタバレ
2023年8月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ かつては主人公の友達か敵役に甘んじていた感のあるキツネ顔時々糸目くんですが、最近は堂々と主人公cpの片方の座を占めることが増えてきたような。この作品もそんなひとつ。編集者でαかつキツネ種族(捕食者)の宇迦野(うかの)と、漫画家でΩかつネズミ種族(被食者)のさちおの、ちょっぴりスリリングでコミカルな愛に溢れたお話です。有能でスマートだが、いかにもキツネらしい細く鋭い吊り目が時々糸目になり、何を考えているのかわからない宇迦野に、捕食対象種族のさちおは最初はガクブル。しかし、実際には宇迦野はさちおとその作品を愛しており、ときに編集者としての立場を逸脱しかけながらも、さちおに献身的に尽くし、さちおの危機を救ったりして、次第にさちおの心を掴んでいきます。で、このキツネ顔時々糸目くんの、ズル賢いキツネのイメージを覆すギャップがとても魅力的。唐突にさちおをきなこもち認定したり、おいなりさんに執着したり(まあキツネだからね…)、ライバル的αが出現するとヤキモチ焼いて大っぴらに邪魔したり、可愛いんだな、これが😄。そして何より、αなのにΩのさちおを支配する愛し方なのではなく、あくまでもさちおの意志と安全を尊重する愛し方なのに好感が持てる。何事も要領よくこなすクールな外見の内側に、誠実でひたむきな愛情と責任感を宿すキツネ顔時々糸目くんの魅力に、さちおでなくてもやられてしまう作品です。
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