このレビューはネタバレを含みます▼
長く続く戦争の下、まだ少年のアキレスは負傷して帰って来たロスコおじさんに抱かれたくて迫りますが、拒否されてしまいます。おじさんと顔を合わせないまま19歳で出征して5年後、九死に一生を得て帰宅したアキレスは、両親の死と死んだと思われた自分の恩給で生活するロスコおじさんに再会します。戦争で脚だけでなく心も深く傷ついたロスコおじさんと、おじさんに会う為に死線をかいくぐって帰って来たアキレスとが結ばれるのが第1章です。次章ではアキレスが最後の所属部隊に着任した頃に遡ります。少佐を筆頭に分隊長と副分隊長、5人の仲間は皆、様々な背景や理由で兵役を志願した者ばかりでした。アキレスは着任早々に少佐の相手をすべく呼び出されるのですが、副分隊長のビッキーが身代わりになってくれます。罪悪感に苛まれるアキレスを、ビッキーは助けてやった見返りだと抱きます。ビッキーに優しく抱かれるうちにアキレスは思わずロスコおじさんの名を呼んでいるのでした。死と隣り合わせの前線に身を置く男達それぞれの愛が切ないです。重めのエピソードがかなり速いテンポで展開してゆくので若干の置いてきぼり感は否めませんが、絵柄•ストーリー共に力強い映画のような作品でした。