狼領主のお嬢様
」のレビュー

狼領主のお嬢様

柑奈まち/守野伊音/SUZ

最終巻でグサっときた

ネタバレ
2023年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 最終巻でお嬢様の価値観が語られますが、それが自分のソレとまるで同じで感情移入し過ぎて苦しくなりました。私に前世の記憶はないけれど大罪を犯したのではと思う程。いくら周りに愛していると言われても自分が害になると自分が判断すれば消えたいし、頑張るけれど最終的にはそれでしか周りを守ったり幸せに出来ないのではと思っている。
自分が守られる事も感謝より罪悪感、負担を掛ける心苦しさが勝る
主人公同様自分が愚かで何よりも許せない。と考える
この価値観で生きる事は苦しくて、抜け出したくもあって、でもシャーリーもまたこの価値観からは抜け出せないまま、ある意味天命に委ねられた。
シャーリーは「その時」が来れば、また同じ選択をするでしょう。行動の前にカイドがシャーリーを奪わなければ。

物語としてはきっと綺麗に完結しているのですが、私の中では、答えが出ておらず、シャーリーの人生がまだ見たいです。
カイド視点の話ももっと知りたい。そうしたら、私の周りの人の気持ちがもう少しわかるかも知れない。

読者として、この歪んだ自分の価値観をまざまざと見るとは思わなかった。そして、読者として読んだ事で自分の価値観が、いかに自分を縛りあげてるのか 垣間見れた気がします。
ただシャーリーは私と違って魅力的な人物なので、そこは弁えつつ。

いつか愛してくれる人達の為に自分は消える日が来る なんて考えてる人間の戯言でした。
愛してくれる人達の愛を信じれない訳じゃないんだよね、シャーリー。愛は伝わってるんだよ、カイド。
信じる信じないじゃなく、他者の愛や献身を甘受してしまう、なのにそんな資格がない"自分"が許せないんだよね。

死んで良かった と言うシャーリーは、自分には甘美な言葉となった
『貴方がいるから頑張れる』とか周りは言うけれど
害なる人間がいなくなる事でやはり世の中は幸せになる、結局自分が消えた方が世の中としては良くなるのでは と解釈してしまった。
作者様の意図は違うかもしれない。

ただカイドやカロンを見てると、自分が消える事で大切な人達に傷を残す事にもなるのかと胸が痛くなる
お嬢様ほど魅力ないから大丈夫かもだけど。
でも親は今ですら泣くから、少なくとも悲しませるな…

とまぁ答えが出ないんですよね。
どんな答えであれ、続きが読みたいです。
切実にお願いします。

はぁ、私前世で何したんだろう…
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