片道映画一本分
」のレビュー

片道映画一本分

日乃チハヤ

始まりの予感

ネタバレ
2023年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日乃先生の作品は“それでは先生〜”と“お憑かれ〜”を読みましたが、レビューを参考にさせて頂いている方々によると初期作が凄いらしいじゃないですか。

いつも何気なく顔を合わしていた相手がいつの間にか気になる存在となり、本人も気付かないうちに恋に堕ちている、という構成の面白さは勿論、2人の真逆の性格が良く描かれていると感じました。

2人は所謂、陰キャと陽キャだと思うんですが。
メガネ君の思考寄りの自分には2人の関係性に既視感、、アチラはコチラが考えてる程、驚く位なーんにも考えてないんですよね。発する言葉に何の意味がなくても、想像力(妄想力)豊かなコチラは勝手に考えてムシャクシャして。

そんな真逆の2人でも、自分が好きな監督の事を覚えてて作品を観てくれたり、映画の感動するシーンが同じだったり。
この感動の共有ていうのは物凄く大きいと思う。

終わり方は確かにココで終わり?!となりましたが、本作は読み手の想像に任せるこの終わり方が気に入ってます。

過去の回想シーンのセリフの書体が映画の字幕でよく使われるフォントで、細かい拘りに短編映画を観たような読後感でした。各話毎のタイトルも秀逸。

分かりやすいBL作品を求めている時には物足りなさを感じるかもしれませんが、助平なBLに疲れ気味だったのでフラットな気持ちで読めました。レビューに感謝〜
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