わたしの幸せな結婚
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わたしの幸せな結婚

顎木あくみ/月岡月穂

的確な言葉選び

2023年9月9日
話の感想については既にたくさんの方が書かれているので、そこには触れず、文について思ったことを書いていこうと思います。
まず、言葉をきちんと使っているな、と読んで感じました。昨今は変にカタカナを使ったり、特殊ルビをつけたりするものが多く、あまり良くは思っていませんでした。この本の中では、散財、懸想、たたらを踏む、など現在ではあまり使わないけれど、この時代の人は自然に使っていたのだろうと思われる言葉を使っています。また当時はあまり普及していなかったであろうものも当時の人の言葉で表現されていて、(ベーコン→燻製肉、リゾット→牛乳を使った洋風粥等)美世が知らなかったのだろうなと自然にわかったりと的確な言葉を使っています。カタカナの濫用もなく、そこが好感持てました。難しいと感じる人がいるかもしれませんが、時代背景に合った、適切な言葉を選んで書いていると私は思いました。変にカタカナを使わず日本語を正しく使った文章は特殊ルビ多用の文章よりもずっと好印象です。
どこかの花嫁は言葉遣いがなってないそうですが、大違いだと思いました。若者だけでなく大人も読める文章とはこういうところに表れるのだなと思います。
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