リウーを待ちながら
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リウーを待ちながら

朱戸アオ

アウトブレイク in Japan

2023年9月10日
富士山麓のふもとで発生した謎の疫病。市民が次々と感染し、治療もなすすべもなく亡くなっていく――。

「インハンド」が素晴らしく面白かったので作家買い。
この作品、最終巻が2018年…コロナ前に出版されています。
だけどコロナを経験した今読むと、描かれていることが決して絵空事には思えない。かなりリアルに感じました。

この作品、私はできればコロナ前に読みたかったな。
多分この作品を読んでコロナを経験するのと、読まずに経験するのでは、コロナや、その感染した人々に対する見方がかなり変わっていたような気がする。それは自分の人生をも変えていたかもしれないな…と思ったり。
広がり続ける疫病に対し、政府がとった対策と、その効果と、その影響を考えるととても深くて考えされられる。

タイトルが秀逸。
リウーとは誰なのか。リウーを待っているのは誰なのか――。
深く 鋭く切り込んでくる問題作。素晴らしかった。

この作品、私は通常版を読みましたが合本版も出ています。使用するクーポンによってはそちらもおススメです
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