オメガバースの世界観の対比が素晴らしい

ずっと気になっていたシリーズです。オメガバースの世界観を活かしながら差別や偏見について考えさせられました。親や社会の画一化した思念は、未来を担う子に孫にと受け継がれて人々の心を凝り固め、そのような社会では柔軟で思いやりのある心を育めないのだと、白国を見て思いました。
一方の黒国はオメガバースの理想であり成熟した社会の典型だと思います。ありのまま、あるがままの自分で誰からも蔑まれる事なく尊重される、素晴らしいと思いました。
オメガバースの世界観は素晴らしかったのですが、これだけ正反対の国が隣合っているにしては国境の警備が易しめだったり、国交が開かれ過ぎ…なのが少し気になりました。外交的・戦略的にもっと（この場合白国が）閉鎖的、排他的な方が、現実味があってのめり込めた気がします。
とはいえ、この後シリーズ二作も読むつもりです。チラッとレビューを読んで…シアの兄のサウロの話だったり赤国が出てきて世界観が広がるみたいなので、楽しみです。