HEARTLESS
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HEARTLESS

ニシンマスミ

BLとか枠にはまらない

ネタバレ
2023年9月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ まず多少のリョナやモブレ、カニバリズムがあるので苦手な方は注意。あまり気にしない方はぜひ。アメリカB級ホラー映画のような構成、精緻で美しい絵、謎やタイトルに代表される薄情さや他者に構わないのは果たして誰なのか、と考えさせられます。
一応、2CP出てくるとは言えますが、これがまたイチャラブとか無縁です(笑)そういうのは期待しない方がいい。だけど、悪魔的扱いをされている吸精鬼(銀製品は苦手)とその情夫(カルト集団が勝手に言っている、後半まで下半身は使ったことなし、DT。E Dと勘違いしそうだけどニシン先生のサイトではDT。まぁ、DTのE Dかなw)との関係性には他者には計り知れない繋がりはあります。
この物語の中で言えば、悪魔扱いされる人ならざるものをハントするカルト集団のリーダー(メンバーもだけど)の胸糞悪い思想と身勝手さがことの発端。マヌエルが9歳のときに多額の募金によって心臓の移植手術を行った病院で、難病の子どもの不安を取り除く手伝いをしていたナルコの存在を明かしたことが原因ではと思わされた事件。実際は、ハント集団が嗅ぎつけてきたものだと思えるが、悪魔を狩る名目で何の罪もない人を殺し、病院に火をつけ子どものせいにしたリーダー。
ナルコに助けだされたマヌエルは、以後、記憶をなくし話せなくなりポンコツ化する。それからは2人で拠点を移しながら生活していたが。そこに、かつてのカルトハント集団が現れた。皮膚に触れることで相手の思考が読めるサイキックをもつヘタレのパトリックとマヌエルが会い、パトリックは助けたいと思いながら、KYな言動とヘタレっぷりで悪化の一途を辿る。カルト集団には心がない。記憶が戻ったことで話せるようになり、身体も機能し始めたマヌエル。しかし、善からぬものもついてきて、自責の念に押しつぶされそうだが、ナルコが手出しをさせない。ナルコの名前を思い出せなかった間は「母さん」であったが、記憶が戻ったあとは恋人的な関係性に変わる。人間同士の色恋とはかけ離れた繋がり。果たして悪いのは人間なのか、人ならざるものなのか。善悪が曖昧、またはグレーなところがいい。ニシン先生にしてはグロ抑えめと多くの方が言っています(笑)商業版だからね。BLとか枠はいらない圧巻作品です。すごいよ。
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