ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける 【短編】
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ヤンデレ魔法使いは石像の乙女しか愛せない 魔女は愛弟子の熱い口づけでとける 【短編】

セキモリ/クレイン

キャラ造形が違和感無く完璧

ネタバレ
2023年9月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 構成マネジメントが完璧だと感じました。

ヒロイン視点だと石化最中は意識が無いため、本当に一瞬で20年の時間が飛んでるんだろうし
ヒーロー視点では3年も消息不明、17年も石のままだったせいで
愛玩動物のように接していた自分の可愛い愛弟子がいきなり年上イケメンになってて困惑するヒロインvs母のようにも姉のようにも想っていた自分の唯一の愛する人に二十年も人生を捧げ続けていた男
のギャップ構図が生まれていて、それがこの作品の一番の魅力に感じます。

ララは母親のような愛情を注ぎつつも、男らしさの色気も時折アリスに見いだしてるのに対して
アリステアのほうは実は12歳のショタ時代の頃から、ララに対して女として見ている、つまり男としてエロい目でララを見ているように思えるシーンがちらほら有り
いきなりエッチな展開になったように感じられるが、実はアリステアにしてみれば「あわよくば12歳の頃にもやろうと思ってたことをようやく行えただけ」「20年も待たされた」という感覚が強く、決して急に仕掛けたワケじゃない。

無論、ララ視点ではほんの数時間前まで少年だった子がいきなり自分好みのイケ兄になった上でいきなり迫られてるように感じるでしょうから、まさに困惑と嬉しさと驚きに溢れるヒロインらしい感情を共有出来る。

年上男性との恋愛モノにおけるジレンマとして、30代にもなって独り身なんて何かしら人格に問題を抱えてるのではないか?という問題がありますが
長年石化していたヒロイン自身が未婚の原因だとヒロイン本人から見ても読者から見ても明らかなので、そこらへんのハードルも上手く処理されている。

本当に上手くまとめられている話だなと感じました。

あえて一つだけ苦言を呈するとすれば、「アリステアは別にヤンデレではない!」というところでしょうか。
純愛と言え、純愛と!!
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