このレビューはネタバレを含みます▼
オムニバス形式ではあるが、各話の主人公たちが自分の境遇を乗り越え、次の主人公を支える側に回るので、ひとつの繋がった物語としても読み応えがあった。
最後の主人公の男の子は前のふたりと比べると、あくまで普通の家庭環境育ちなので恵まれている方かなと思った(むろんごく普通の高校生と比べたら十分過ぎるほどヤングケアラー)。女の子の方がより蔑ろにされがちなのも非常にリアルで、胸に迫る。作者の体験も反映されているとのことで、どこか身近に必ずある現実を突きつけられる。漫画故の説得力があった。
団塊世代が軒並み後期高齢者に突入していく現代、どうか今より少しでも福祉の現場の充実と、若年世代に負担を負わせない仕組みが整うことを願う。