ソムニア
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ソムニア

冥花すゐ

これは悪夢なのか

ネタバレ
2023年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不治の病で余命が短い寧と、寧のために倫理観を捨て去った医師である先生のお話。
メリーバットエンド特集で紹介されていて興味を持った。表紙と扉絵の暗い雰囲気からして好み。
寧が夢を見ているのか現実なのかわからないモヤッとした世界の中、謎めいた先生の闇の部分と愛が浮き彫りになっていくのが堪らない。
黒のベタ塗りが多く、先生の目も黒塗りでどこに焦点が当たっているのかわからないので、悪夢のような闇の中に生きている雰囲気がよく表れていると思う。
一方の寧は白く、方言設定(東北弁?)も天使のような純粋さと悲壮感を高めていて、先生との対比も最高。
夢の中と言い聞かせて好き放題していて、いけないものを見ているような気になってしまう、先生の溺愛ぶりが垣間見れるエロも良いですよ…

描き下ろしや特典もすごくいい。
作品の雰囲気を壊すことなく、2人が同時に歩き出したのだろうと想像させる、すごく好きな終わり方。
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