このレビューはネタバレを含みます▼
素晴らしいです、どうしたらこんなお話が描けるのでしょう。舞台は戦後ですが、可愛らしい桃里とスパダリ烏羽とのやりとりに癒されます。ですが中盤、猫が桃里の布団の中で死産するという出来事が衝撃的で胸がバクバク。理解しろ、理解しろとは。摩訶不思議な屋敷、すれ違う伯母さんや先に旅立っていった学友たちとの再会。桃里と烏羽は実は病院ですでに出会っていた、包帯でぐるぐる巻きになった烏羽を目の当たりにして…やはりそういうことなのかなと、涙止まらなくなりました。烏羽は桃里を迎えにきてくれた。。
ARUKU先生の作品にはラストを読者にゆだねるお話は他にもありますが。このお話が現世でも黄泉の国でも二人が心通わせ共にたくさんの色を集める旅に出発できたことには変わりなくて。
「描いてくれ、この世界は命と引き換えに守る価値があったと思える絵を」今この時代に世界のどこかで誰かが叫んでいるようなこの言葉に出会えて、ARUKU先生には心から感謝したいです。