あらすじを読み、自分が興味を持っている終戦直後が舞台ということでずっと気になっていた作品。
肺病のため学徒動員を免れ戦争を生き延びた桃里。そして戦時中は海軍航空隊の所属だった青年実業家・烏羽のお話。
ちょっと癖のある絵柄の作家様だな、というのが第一印象でした。はっきり言ってしまえば、どちらかというと苦手な方だったのです(申し訳ありません…)。
ですが本編を読み進めるうち、この物語だからこそ、この絵柄がすごくマッチしてるんだ!とすぐに思い直すことに。どこか童話を読んでいるようなファンタジックな物語の流れと世界観、すぐに魅了されました。
全ての台詞やモノローグが心に沁みます。拝読中、何だかジワッと涙が滲んでしまった。
戦争から生き残ったがゆえに、心に罪悪感を抱えた二人が織り成す優しくて温かいストーリー。
絵柄で選り好みせずに拝読して良かった。終戦の月とも重なり、ふと当時に思いを巡らせてしまいました。