酔いどれ恋をせず
」のレビュー

酔いどれ恋をせず

橋本あおい

美味しい蕎麦と日本酒が醸し出す恋

ネタバレ
2023年9月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 諏訪水澄はストーカー化した店長に追われて部屋にも帰れず仕事を失ってしまいます。次の仕事が見つからない水澄は、行きつけのゲイバーでタイプの男性を見つけます。鬱憤を晴らそうと、唎酒師の水澄は男性の好きそうな日本酒を一緒に飲み、そのまま関係します。翌朝、名残惜しさを感じながらもノンケに未練は残すまじと、水澄は黙って先にホテルを後にするのでした。その後、水澄は偶然入った蕎麦屋でその男性•楯野川誓と再会します。誓の作る細やかで美味しい料理に惚れ込んだ水澄は雇って欲しいと頼み込むのでした。お試しで働き始めた水澄は誓の部屋に置いてもらうことになり、また関係してしまうのですが、かつてノンケの親友に告って傷ついた水澄は、流されながらもノンケとの恋には抵抗しまくるのでした。美味しそうなお蕎麦や一品料理、日本酒は飯テロ注意物件です。なかなか恋には進展しない中、2巻ではフレンチの巨匠である誓の父親や別れた妻、水澄のトラウマの元凶である初恋の相手が登場します。お店の常連で誓の親代わりだったキヨさん、水澄の良き理解者の真利江ちゃんらも含めて脇キャラに厚みがあって読ませます。身体から始まりますが、職人肌で頑固な誓の料理の腕と、恋に臆病な水澄の唎酒のセンス、お互いのリスペクトが恋に変わってゆく過程が楽しめました。
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