歌わない夜啼鶯は





2023年9月30日
夢を追って異国に来た若者とパトロンになる大人の男の10年にわたる愛の軌跡という大河ドラマ的なストーリー。オペラ歌手を目指した凛はエリアスと出会いPOP歌手として成功する。自分はエリアスの複数いる恋人の一人にすぎないと知っても凛はエリアスから離れる選択はできなかった。歌わなければ捨てられるーー凛の不安と恐怖が、絶望が辛い。10年も経って互いの愛の形について話し始めたふたりだけれど、仕方ないことだったかな、と思う。凛は若かったしエリアスは愛以外のものを持ちすぎていた。このストーリーは「鏡よ鏡、毒リンゴを食べたのは誰?」とほぼそのままです。どっちを先に読んだか忘れてしまったけれど、作者には書き足りないことがあったのだろうか。正直、どちらかが焼き直しという印象は否めませんが私はどちらも入り込んで読めました。こちらの作品は異国の地ということで凛の孤独がより深く思わされました。そしてyoco先生の絵が異国の雰囲気にすごく合って素敵でした。

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こめ さん
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