進撃の巨人
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進撃の巨人

諫山創

この残酷な世界に

2013年9月14日
今、最も話題になっていると言えるくらい社会的なブームになっている『進撃の巨人』。

話題性で興味を持って読み始めると、その内容の残酷さに驚くことになるでしょう。

これほどシビアで残酷な作品が、こんなにも現代社会で支持を受けているというのは意外に思えますが、同時に必然的にも思えます。

〔先の見えない不安と現状の苦しさ〕

登場人物達の抱えるこの問題は、私達が生きる現代社会にも共通しています。

設定はファンタジーですが、人類の生存の為に命を懸けて巨人と闘う戦士達の姿は真に迫るものがあります。

戦力的に圧倒的に不利な状況で、それでも一縷の望みを賭けて剣を取る彼らの姿は読者に強烈な印象を与えます。

緻密に設定された架空世界。各々に個性のある、魅力的なキャラクター。謎と裏切りが交錯する複雑なストーリー。避けられない犠牲と、それによって掴んだ微かな反撃の糸口。

この作品はダークな面も多々ありますが、それ故に形容し難い魅力に満ちています。

規格外の作品ですが、確かに傑作だと思います。
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