レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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コミカライズ最高傑作2024年4月9日毎回読み返す度に泣いてしまう、自分にとって宝物のような作品です。設定はありがちですが、この世界観と卓越した心理描写は唯一無二だと思います。
原作も素敵ですが、コミカライズ版は少し大人びたキャラクター設定で、ヴィンセントの美男子っぷりとオリアナの天真爛漫で無垢な可愛らしさを堪能出来ます。
オリアナが今生でもヴィンセントと結ばれるのかという恋愛要素が大きいですが、前世でヴィンセントは何故死に至ったのか、前世のヴィンセントは、其の日に何が起こるのか予期していたのではないかなど、ミステリー的な愉しみ方も出来て満足度の高い作品なのではないかと思います。
私は結末が気になり過ぎて原作を先に読んでしまいましたが、結末を知っていて尚、コミカライズ版の輝きは色褪せず、寧ろより鮮やかになった気がします。
原作の名シーンを、これ以上ないほど美しく、繊細に描いて下さった白川先生に敬意と感謝を表するとともに、是非最後までこの美しい世界観を紡いで頂きたいと願っています。 -
信念の刃が鬼を穿く2020年12月7日試し読みで気になり、最終的に全巻購入してしまいました。特に終盤の上弦、無惨との対決は漫画史に残る名場面だと思います。
最近は王道の少年漫画で名作はあまりありませんが、古から伝わる題材でこれほどの世界観を作り上げた力量に驚きました。
鬼殺隊、柱達の哀しい過去や苛烈な戦闘に何度も涙してしまいました。
主人公の心優しさや信念を貫く姿勢がこの作品を残酷なだけではない、人の成長と絆を描く物語に昇華させている所が人気の所以かなと思います。
とかく自分本位になりがちなこの世の中で、他人の為に命を賭す尊さ、信頼関係の強さを見せられ、人間の可能性を信じられるような気持ちになりました。
今、コロナで自死の増えている日本で、作者さんの温かなメッセージが多くの人に届いてほしいと思います。 -
禁断の恋に溺れ2016年10月21日斬新な設定が話題をよんでいる人気作。
物語・キャラクター設定ともに狙いすぎてる感はありますが、読むと引き込まれます。
可愛らしい絵柄で恋愛の切なさを抉ってくるギャップが魅力です。
長い片想いが実った時から、幸福と哀しみの渦に溺れて行く主人公とヒロインから目が離せません。
二人の片想いが成就するその瞬間だけでも、この作品は名作と言えると思います。
ヒロインが何度も口にする、
【私は選ばれてないから…。】という言葉。
二人の長い片想いを思うと、本当に泣けてしまうシーンです。
人気があるからかストーリー展開が中弛みしつつあるのが気掛かりですが、今最も続きが気になる作品です。
昨今の恋愛漫画では久々の傑作だと思います。意外な完成度の高さに驚くはず! -
心地よい世界観2016年10月4日『町田くんの世界』で一躍人気となった作者さんの初期短編集。
初期の短編集には作者さんの今後の期待度が如実に表れると感じます。『りぼん』で若くして一世を風靡した槙ようこ先生も、デビューの時から設定の斬新さ、ストーリーテリングの軽妙さが際立っていました。この作者さんもありきたりな短編集ではなく、既に作者特有の日常的なのに非日常的な独特の世界観を醸し出しています。
『町田くんの世界』も大好きで何度も読み返していますが、この作品も何度でも読めるし、その度に新鮮な感動があります。この作者さんの最大の魅力は登場人物の悩みや苦しみを愛を持って描いている所だと思います。その意味では『フルーツバスケット』という作品に近いですが、こちらの方が激しさがなく、良い意味で淡々としています。
現実社会で傷を負った人々を優しく癒してくれる作品です。ストーリー重視の方なら満足されるかな、と。ラブ要素はほぼ皆無ですが、ほっと癒されたい時におすすめです。 -
英国貴族系の最高作2013年11月2日英国貴族を題材にした作品で、この作品ほど重厚な作品も少ないでしょう。
“英国貴族”という優雅なイメージを持って読み始めると、この作品に漂う陰鬱な空気に戸惑いを覚えるかもしれません。
この漫画はまさに、本格派を求める玄人好みの作品と言えるでしょう。
内容は重いですが作品のレベルは非常に高く、確かな画力で描かれた背景・風景描写や、聖書からの引用が作品の魅力を際立たせています。
ストーリーは第1部と第2部に分かれ、1部では母の死の真相を探るライナスという少年が、2部ではブレナンという美しく敬虔な家庭教師が主人公となっています。
個人的なこの作品の最大の見所は1部のクライマックスです。
劇的な展開の中に悲痛な救済が描かれていて、喪失感の中で天に架かる美しい虹を眺めるシーンは秀逸です。
漫画好きな方には是非読んでみて頂きたい、隠れた名作です。
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この残酷な世界に2013年9月14日今、最も話題になっていると言えるくらい社会的なブームになっている『進撃の巨人』。
話題性で興味を持って読み始めると、その内容の残酷さに驚くことになるでしょう。
これほどシビアで残酷な作品が、こんなにも現代社会で支持を受けているというのは意外に思えますが、同時に必然的にも思えます。
〔先の見えない不安と現状の苦しさ〕
登場人物達の抱えるこの問題は、私達が生きる現代社会にも共通しています。
設定はファンタジーですが、人類の生存の為に命を懸けて巨人と闘う戦士達の姿は真に迫るものがあります。
戦力的に圧倒的に不利な状況で、それでも一縷の望みを賭けて剣を取る彼らの姿は読者に強烈な印象を与えます。
緻密に設定された架空世界。各々に個性のある、魅力的なキャラクター。謎と裏切りが交錯する複雑なストーリー。避けられない犠牲と、それによって掴んだ微かな反撃の糸口。
この作品はダークな面も多々ありますが、それ故に形容し難い魅力に満ちています。
規格外の作品ですが、確かに傑作だと思います。 -
喪失と再生の物語2011年11月11日長編ですが、とても引き込まれるストーリーで、全編読破してしまいました💦(最終巻はレンタルしました😁)
正直1話目は微妙でしたが、カンナが出てくる2話目からストーリーの深みがぐんと増し、一気にハマりました✨(2話目は泣きました😢)
主要キャラを中心に、そのキャラに関わりのある様々な人物が主人公となって進んで行く形式の作品です💡
毎回完結しますが、先に行くと新しい展開が見れるので、すぐ続きが読みたくなってしまう構成です😁
この作品の良さは、厳しい現実を誠実に描いている所だと思います。
女の、自分より可愛い女子に対する醜い感情や、“罪悪感は一生消せない”という重い言葉。
失恋ばかりの女性がいる一方で、どんなにモテても唯1人の男の子を想い続ける女性もいる。
登場人物が苦しみを抱えながら懸命に生きている姿に心を動かされます😢
長い作品ですが、恋愛や友情の良さを感じられる秀作です✨
大人の方にも自信を持って薦められる少女漫画です😃💡 -
リアルで共感できる💡2011年7月15日“筆舌に尽くし難い”、惨憺たる職場に就職してしまった「ももこ」。
労働基準法も“ぶっちぎり”で、連日深夜どころか翌朝まで働く毎日。
「絶対辞めてやる、次に辞めるのは私だ❗」と思いつつも結局働き続けているももこだが、同じビルで働いている飄々とした男性に親近感を感じ、徐々に惹かれていく。
魔の巣窟(脱衣欲の強い変態社員、バイオレンスな鬼営業等々)のような職場にオアシスを見付けたももこだが、彼には重大な秘密があって…!?
というのが主なあらすじなんですが、この作品はホントにオススメです✨
まず、職場や登場人物がすっごくリアルです❗
作者さん自身9ヶ月間パチンコ専門のデザイン会社で働いておられたそうで、恐ろしいほど現実味のある労働環境が描かれてます…😌
そういった描写も凄いですが恋愛面もすごく現実的で、ももちゃんの浮かれたり・悩んだり・傷付いたりする姿にすごく共感を覚えました😶🎶
ストーリー展開自体は目新しいものではありませんが、それでも一気読みしてしまうほど魅力的な作品です✨
等身大の、働く女子の恋愛を読んでみたい方に絶対オススメです❗ -
不器用で美しい青春期2011年2月25日あの『NANA』と同時期に連載されたこの作品。個人的には『NANA』よりこの作品の方が完成度は高いと思います。
それぞれに事情や悩みを抱えるキャラ達が、葛藤の末に自分の力で答えを導き出す姿がとても感動的でした。恋愛だけでなく、ヒューマンドラマとしても愉しめる作品だと思います。
あらすじは、
スタイル抜群で非常に恵まれた容姿を持つ紫(ゆかり)。しかし彼女は進学校のレベルに付いていけず、強い劣等感に苛まれていた。ある日、彼女は街で顔に安全ピンを着けたパンクな男に「自分たちの作る服のモデルになってほしい。」と頼まれる。すげなく断った彼女だったが、ジョージと名乗る美しい男に再度モデルになることを要請され…!?
という感じです。
この作品ではジョージのデザインした服を紫が着るシーンがよく出てきますが、それが紫に本当によく似合っていて溜息が洩れるほど美しいです✨矢沢先生自身服飾系の学校に通っていたそうで、実際に商品化されてもいいくらい素晴らしい服ばかりです。ゴージャスかつエレガントで、細部まで凝っています✨
恋愛面も波乱だらけで愉しめますが、この作品はやっぱり“服”を描ききった作品だと思います。最終巻で、イザベラが紫に話す台詞は本当に胸に響きました。
感動的で美しく、キャラに共感できる作品だと思います。是非読んでみて下さい。 -
大切なことがわかる✨2011年1月16日少女漫画とは思えないくらい奥深く、感動的な作品です✨
登場人物が結構多いのですが、みんな魅力的で感情移入できる人物として描かれていて、作者さんの手腕を感じます。
この作品はファンタジーですが、どんな作品よりリアルに「人間の内面」を描いていると思います。
人間の持つ「弱さ」、人を信じることの「強さ」が限りなく温かい眼差しで描かれていて、静かに心を揺さ振られます。
この作品には「完全な悪人」も「完全な善人」もいません。全ての登場人物が等しく罪悪感に苛まれています。でも、だからこそ彼らの涙や台詞はダイレクトに読者に届くのです。
生きることに惑う全ての方に読んで頂きたい名作です😶 -
幸せは夢の中に2010年11月23日悲劇が苦手な方にはキツいストーリーかもしれませんが、作品自体の完成度はもの凄く高いです。
特に作画は芸術作品のように美しいです✨
私的には、潟木の牡丹の刺青と、華麗に咲き誇るラナンキュラスに目を奪われました。
また、構成も凝っていて、最後まで読んだ時に初めて散りばめられた伏線に気付く仕掛けになっています。これは読者を最後まで驚かせる、実に鮮やかな手法です。
そして最後に、その見事なストーリーの収束と、主要登場人物全てが不幸を負うという、衝撃的な結末が読者に明かされます。これは茫然自失となるような凄まじい打撃でした。
しかし、この悲劇は救いのない悲劇ではなかった、と私は思います。彼らが確かに幸せだったこと、そして遺された2人が生き抜く決意をしたことに、少しだけ希望が見えたからです。
悲劇に耐性のある方は是非読んでみて下さい。一般的なBLとは少し異なった、美しく叙情的な名作です✨ -
美しく昇華する痛み2010年11月18日傑作中の傑作です✨
まんださんは傑出して優れた漫画家で名作も多いのですが、この作品はその中でも1つの到達点に達したと言えるほど完成された作品です✨
ストーリー・作画とも、非の打ち所のない完璧な仕上がりです。特に作画は素晴らしすぎて驚嘆するほどでした。卓越したデッサン力を持っておられると思います✨
作画も凄いですが、ストーリーも切なさと爽やかさが入り混じっていて、美しく感動的です。
ストーリーは、〔この世界に生きる誰もが抱える孤独感と苦しみを描く一方で、人を愛することの輝きと希望と切なさを描いている。〕と要約できると思います。そして、これはまんださんの作品の共通テーマでもあります。
また、この作品は特にモノローグが秀逸です。
「想いが通じても、それは地獄への扉を1つ開けたにすぎない」
「マスベ、お前ももう泳ぐのを止めてしまったのか。地上はこんなにも醜いのに。」
など、胸を突く言葉が多々あります。
このように本当に素晴らしい作品なのですが、ベッドシーンは少なめなのでBLをお求めの方には少し物足りないかもしれません。
加えてポイントも高めですが、切ない恋愛がお好きな方は買って損はない名作だと思います✨ -
成長途中の作品かも2010年10月3日悪くはないのですが、よしながさんの他の傑作と比べると、絵も内容もちょっと見劣りしてしまう…というのが正直な感想です。
多分、結構初期の作品なんだと思いますが、よしながさんらしい洗練されたタッチがまだなくて、ちょっと粗い絵ですね。
また、ストーリーもそれ自体は綺麗にまとまっているんですが、よしながさんの持ち味が半分しか活きてないのが残念でした。
よしながさん作品の特徴として、「読者の予想外な展開になる」「許しと救いがある」ということが挙げられますが、この作品は意外性の高い展開作りには成功しているんですが、“読者への救い”がやや欠けています。
結果、読了後の後味が悪くなってます。それを狙って描かれているのかもしれませんが、その意図に共感しにくいのが問題ですね。
私がこのレビューで伝えたいのは《他のよしながさんの傑作を配信して!》ということだけです。
『西洋骨董洋菓子店』『愛すべき娘たち』『フラワー・オブ・ライフ』『ジェラールとジャック』『彼は花園で夢を見る』『大奥』など、よしながさん作品の中でも最高傑作級の作品が配信されることを願って止みません。 -
斬新な設定の良作✨2010年5月3日どの作品も少し珍しいストーリー設定で、新鮮な感覚で読めました💡
ただベッドシーンはあまりないので、ハードなBLをお求めな方には物足りないかもしれません。逆にキャラの心情やストーリー重視の方なら愉しめるかと🎶まずは試しに表題作のご購入をオススメします😃この作品はかなりの秀作ですよ✨
同じ作者さんの『恋は罪悪』では、設定やテーマは良いのに活かしきれていないという印象を受けましたが、この作品はそれが改善され読みごたえのある作品になっています✨
この作品の1番の魅力は何といっても表題作です✨
優秀な頭脳と得体のしれなさで不良グループから浮き、周囲に怖れられる隈田と、学がなく難解な言葉を理解できない一方で鋭い洞察力を持つ大川。隈田の抱える虚無感を本能的に察知しながらもそれを言葉にすることが出来ない大川が、たどたどしく想いを伝えるシーンは切なくて苦しくなります😢
私個人としてはヤマシタトモコさん、イシノアヤさん以来のどストライクでした💡このお二人が好きな方には特にオススメします✨ -
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腐っても青春💡2009年12月1日腐女子が嫌いでない人なら楽しめるかと😁かなり腐ネタ満載なので、そういうのが苦手だとキツいかもしれません💦
最初は出てくる要素(メガネっ娘、巨乳美少女、王子系美少年、健康的爽やか男子)がいかにもオタクウケを狙ってる気がして抵抗があったんですが、この作品はそれを素晴らしく上手く活かせているのですぐに気にならなくなりました🎶
この作品の美点はオタクネタをアクセントにしつつも、ちゃんと登場人物達の切ない恋心を描けている所ですね✨皆すごく純真に恋していて、一喜一憂している姿に自然と感情移入してしまいます😶レビューには主人公が鈍過ぎて阿部君(一途に主人公を想う健気な少年)が可哀想といった意見もありましたが、私は二次元ではないリアルの恋愛に、戸惑い、臆病になってしまう主人公の気持ちはすごく共感出来ました。“好きだと認めて傷付くのが怖い”という思いは、ベタだけど恋愛の原点ですよね💡
個人的なこの作品最大の魅力は主人公の可愛さでした✨時折見せるとびっきりの笑顔は“これは阿部君が惚れるのも無理はないかも”と思うような愛らしさで、不覚にも萌えました🎶
ベタなのに新鮮という新感覚な漫画です✨読み出すとハマりますよ🎶
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他に類を見ない傑作2009年11月17日収められているどの短編でも、登場人物たちの思いが痛い程伝わってきます。
どのお話も幸せな展開ではなく、登場人物たちは皆それぞれに相手を想っているのにすれ違い傷つき苦しんでいます。
この作品の登場人物たちが抱える辛さはセクシャル・マイノリティとしてのものだけではなく、生きることや誰かを愛することなど一般的で普遍的なものです。
だからこの作品はBLというジャンルにありながら、人間ドラマのように深いメッセージ性を持っています。また、モノローグも一編の詩のように美しく叙情的です。
派手さは無いのに心に直に触れてくる、不思議な魔力のある作品です。雰囲気は淡々としているのに、作品自体は凄く劇的です。
是非、この作品にしかない求心力を感じてみて下さい。 -
自分はちょっと…2009年11月14日評価下げてすみません😌
絵は凄まじく綺麗だし、お話も先が気になる感じでした。
でも、ミステリーとしては致命的なくらいカラクリが先に読めてしまう点と、不遇な環境や社会問題を安易に扱いすぎている点が残念でした。
話数が少ないのに設定が凝っているせいで、それを消化するのに必死になり、登場人物たちの内面描写があまりに希薄すぎるという印象を受けました。
社会問題や不遇な環境にある子供を出すのはいいのですが、それがただ作品を盛り上げるだけの駒でしかないと、読み手には底が浅い作品に感じられます。
多分この作者さんの特徴なのでしょうが、多感な思春期の少女をあまりに淡々と描いているのにも、どうしても違和感を感じてしまいます。
でも、こう思うのは私に作品を受け取るだけの理解力が無い所為なのかもしれません。読もうと考えておられる方は、これは私の個人的感想なので気にしないで下さい。 -
米子に励まされる✨2009年9月16日ブサイクでヘタレな米子が、自分の顔のコンプレックスや怯えに必死に立ち向かう姿がとても愛しかったです😶
お話の概要は、米子の奮闘を通して教師や生徒、保護者の抱える問題を提起し、解決案を模索していくという感じです。成長していく米子や三四郎の米子への熱烈なアタックなど、見所満載でとても面白かったです🎶
短めの作品の中に沢山の為になる言葉が溢れていて、何度も頷き、考えさせられました。常に一生懸命で謙虚な米子は凄いと思います✨
読後に心が温まるような素敵なお話です💡世代を問わず楽しめる作品だと思うので、是非多くの方に読んで頂きたいです🎶