このレビューはネタバレを含みます▼
女王蜂(クイーン・ビー)Ωという斬新な設定。女王蜂Ωが自分の意思で「このα、欲しい!」と思ったら、相手のαに番がいても、それが運命の番であっても解除させることができる。自分は好きな相手ができれば、次々に番にできる。ただし、番にできるのは1人だけ。だから新たな相手と番になると、前の番とは自動的に番契約が解消される。番契約が解消されたことは何となく感覚で分かる。…という設定はあるものの、肝心の女王蜂Ωが自分の性質に怯えるイイコ過ぎて、キモとなる女王蜂Ωの性質を発動させない!(過去に親友に対して無意識に発動してしまい、トラウマになっている)だからストーリーにせっかくの設定のキモが全く絡んでこない。その上、女王蜂Ωは自分で番を選ばない限りヒートもこない設定なので、自分の性質に怯え、恋愛自体をを避けている主人公には当然ヒートがこない。つまり本作はいわゆる「オメガバ」としてのストーリー展開もほぼない。おぉー!斬新だけど、斬新過ぎて何を読んだらいいのか分からない…。強いて言うなら「救済」かな?ライ(攻・α)の底抜けの優しさと愛情で、トラウマを抱えたミオウ(受・女王蜂Ω)が救われる…という。デビュー作とのことなので、今後に期待!です。せっかく作った設定の活かし方やコマ運びのブツ切れ感などがこなれてきたら、発想は斬新なのでもっと面白くなると思います。