錆びた夜でも恋は囁く【電子限定おまけ付き】
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錆びた夜でも恋は囁く【電子限定おまけ付き】

おげれつたなか

悲しくてやりきれない

ネタバレ
2023年10月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 立ち読みしてからずっと気になってカートに入れていたのですが「絶対読みごたえありそうだけど、内容がかなり重そうだな」と迷っていました。がついにコメント欄の皆さんの熱に押されて読破しました!皆さんの推奨通りの順番で①錆びた夜→②恋愛ルビ→③はだける
おそらくこのストーリー全部を読破すると、「かんちゃんと弓がここまで歪んだ関係になってしまったら、きっと残る最良の道はこれしかないな」という意味で、ハッピーエンドなんだなと感じました。ただ、全編通して、ずーっとずーっと、「何故話し合えないんだろう。何故自分の状況や気持ちを大切な人に説明できないんだろう?何故(一瞬ストレス解消できても)後で死にたくなるほど後悔するようなことをするんだろう。」とハテナの嵐でした。でも、私が2人を理解できないのは自身が健全な家庭で育ち、愛情と教育を受けたからなのでしょうね。何か問題が起こった時に無意識に「より健全な方向へ解決しよう」とする思考回路があります。
間違っても「好きな人だから、鼻血が出るほど殴られても我慢する」なんて考えないし、万が一理性を失うほど好きな相手でも「自分は殴られても好きだけど、この人のために良くないな」と考えるし。。このストーリーのキャラが全員好きだからこそ悲しい。可能であれば、かんちゃんと弓が関係を再構築して幸せになる奇跡の姿を見たかったと思っちゃいます(もちろん不可能ですが)。そして何度も読み返すと、誰がいい、悪い、はないと知りつつ、一番の悲劇の引き金は弓の「覚悟のないあやふやな優しさ」だったんだろうなと。かんちゃんと同棲スタートの時点で真山のことをしっかり整理しないといけなかったし、かんちゃんと向き合うと決めたなら、死ぬ気でかんちゃんに仕事を辞める説得をしたり、妹さんの学費を一緒に背負わないと。。と私なら思う。やはり殴られても相手に怒らず、ヌルっと許すのは「愛してない」こと同義だと思います。かんちゃんもきっと高校時代からずっと「弓は自分を心から愛してはいない。」と本能的に感じているから不安や怒りや焦りがつのったんだろうなあと。だって向き合うのは大変な労力が要るから。。大切な人とはしっかり向き合いたいと感じる作品でした。
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