人間関係の描き方が天才





2023年10月14日
洋菓子店で働く4人の男と、それを取り巻く様々な人間関係が複雑に絡み合う。天才としか言いようがない。表情一つ一つの、見せ方まで素晴らしく、シリアスと笑えるシーンのバランスが最高。何度も読みたい。メインキャラは、橘、小野、千影、神田の4人。オールマイティな才能があり大金持ちでイケメンの橘が、何故か小さな洋菓子店を開く。そこで働く事になったパティシエが、橘が高校時代に手酷く振った小野。酷いキャラだと思っていた橘だが、その理由や気持ちを考えると切なくなる。千影は、橘のお世話係と言いながら、何もできないボンクラ。しかし純粋で、心から人のために尽くす。橘と千影の関係が大好き。神田は孤児で元ボクサー。巨〇の星かと思った。ボクシングを辞めてパティシエを目指す。小野に心酔するが、橘には塩対応。そして何より、橘が洋菓子店を開くことになった理由が…。4人のキャラが優しく悲しく切なく、これで終わりなのが悔しいとさえ思ってしまう。犯人の結末は予想もしなかったが、これで良いのだと思わせる描き方だった。

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