埋葬計画
」のレビュー

埋葬計画

本穣藍菜/しちみ

これも血のさだめなのか

ネタバレ
2023年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作を読む前にこちらを読了しました。今読んでる前作と合わせて思うこと。宇佐美の意思に関わらず、関わる男たちの劣情を呼び起こし散々な目に何度も遭ってしまうのは、祖母や実母から受け継いだ血というか、性質なのかもしれないなと。祖母、実母が村八分になっていた理由は前作でも詳しく書かれてはいませんが、実母の容姿から祖母の身に起きたことは想像できます。実母に至っては村の習慣である「玄関の鍵をかけない」ことが裏目に出て、自宅で集団レ◯プされ、挙句自ら命を断ってしまう。「自分が女だったら」と神谷と自分を比べて宇佐美は何度か言いますが、女に生まれてたらもっと大変な人生だったかも。もっと早くに違う選択をしていたら…。ほんとのこと話せていたら…。作者様が宇佐美と葛城の姿から伝えたかった愛とはなんだったのか。純文学を読んだ後のような読後感でした。
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