3月のライオン
」のレビュー

3月のライオン

羽海野チカ

現実の棋士の方も併せて、応援したい作品

ネタバレ
2023年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品の根底に流れるテーマなどは、作家さまの思想とか正義に対する考え方が色濃く反映される気がしていて、紡がれる言葉や考え方・構成などが読み手の感覚と擦り合うところが多いとより作品に惹かれる‥という事があるのではないかと思うのです。
前作『ハチミツとクローバー』で、映画やドラマになった部分では全然惹かれなかったのに(物語が完結していない時点での制作だったせいもあると思いますが)、完結に向けて、全てを裏切ってくれた展開に、私自身は作家さまが大好きになってしまいました。
本作は、重い空気に包まれて、息をするのも苦しくなる展開などもありますが、ホッと和ませてくれたり、友情や親愛などの熱い部分もあり、やっぱり作家さまが好きだなぁとしみじみ思ったりしております。
話と話の間にあるコラムで、棋士の方々のタイトル戦を含む収入源などの解説があり、それを支えているのが新聞社だと言う事を初めて知りました。
たった160人しか残れないその世界で、挫折して別の道を進まざるを得なくなった方々の行く末もですが、だんだん先細っていく業界の支えだけではなく、他の企業の支援なども、早く見通しが立てばよいなぁと、『3月のライオン』の世界観の中で考えてしまいます。
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