后宮のオメガ
」のレビュー

后宮のオメガ

露久ふみ

オメガバ綺譚であり演歌のような一途さ

ネタバレ
2023年11月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ コミックス上下で出してくれて、よかったです!!美しいね…時々カラーもあって、とても綺麗です。「こまどり〜」と平行して連載されていたのに、凄いですよね!


異国情緒たっぷりだからか、読みながら「乙嫁語り」を思い出した。最初の夫婦は、王ではないけど、やはり年若き次代の長で12歳くらいだったかな、妻は25で倍ほど。幼くても妻を守ると勇ましく、妻は嫁心がついた。
イリヤも同じ。忌み嫌われたΩであることを抜きに、自分を認めて一緒に居て欲しいとハーリドに必要とされた。心定まらない訳がない!褐色黒髪垂れ目の可愛いハーリド。かっこよくなる事間違いなし!と思って、下巻にいき喝采⤴垂れ目の美丈夫!精悍で理知的、素晴らしい王キャラでした。


8年、全然歳をとらないように見えるイリヤ(笑)美しい。死んだと思っていた太陽がまた昇った。待ちに待った再会も、内乱の最中のため余韻に浸れず。イリヤはハーリドの意思を受け継ぎ、この国のために生き抜いた。(賢く忠義篤いスゥヤのお陰でもあるね!)会いたくて仕方なかった相手に会えたのに、ヒートまで起こしちゃうのに、律儀で誠実なハーリドはまだ番にならない。その気持ちを汲み取りながら焦がれて待つイリヤも、ある意味男らしい💗危険を冒して打って出たときのイリヤもハーリドも、かっこよいですよ。


王座を取り戻しても忙しく、ゆっくりできない2人。満を持して番になるときの高まり。読みながら「ほんとよかったねぇ」と近所のおばちゃんみたいになってしまった(笑)


ザリドは顔はよろしいのにゲスなので、悪役にぴったりでした(笑)8年の月日、他国、結末は少し巻が入っている感じで比較的にあっさりと進んだけど、全体的な世界観と2人の繋がりに焦点が当たっていたので、映画のような感じで受け取れたな。
惚れた相手に一途。身も心も捧げる2人の根底には演歌のような昭和感すら感じますよ。勿論、よい意味です!美しく、素敵でした。
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