恋愛前夜
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恋愛前夜

凪良ゆう

恋愛:幼馴染CP&求愛:漫画家×編集さん

ネタバレ
2023年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『恋愛前夜』市営住宅の隣同士に住む母子家庭の萩原なつめと父子家庭の仲村時生は、子供の頃からの付き合いです。17歳の二人は高校では接点がありませんが、帰るといつもなつめが夕食を作って一緒に食べます。幼い頃、父親のDV被害に遭っていたトキオに寄り添ってきたなつめは家族同然の存在なのでした。トキオはひたすら漫画を描くことに打ち込んでおり、いつも一人で飄々としています。ルックスも人付き合いも良いけれど、これといってしたいことが見つからないなつめは、トキオに好きな人がいると聞いてびっくりします。そして虐めに遭っているなつめの為に、大事な右手を怪我してまで戦ってくれたトキオは、それをきっかけに学校を辞め、上京して漫画家のアシスタントになることを決めます。なつめが好きだから離れたいと言うトキオに、なつめは自分の気持ちを見極めきれませんでしたが、時間と共に自分の気持ちが固まり、卒業後に上京します。ところが就職先は倒産しており、トキオはアシスタントを務める超売れっ子漫画家•小嶺ヤコ先生の恋人になっていたのでした。いつも揺らがない北極星のようなトキオ、柄杓みたいにトキオの心を掬い上げるなつめ、なつめの肩の北斗七星みたいなホクロが上手く象徴されています。幼馴カプの遠回りの恋を瑞々しく描いた『恋愛前夜』に続く『求愛前夜』は可愛らしくて男前なヤコ先生と男らしい見た目にキュートな中身の編集者•貢藤利里とのサクサク進む楽しいラブコメです。ここからさらに貢藤さんと同じアパートに住み、ヤコ先生とコラボする小説家•遠藤告美が主役の名作『おやすみなさい、また明日』に繋がります。どれも違うテイストながら読み応えがあって超お勧めです。
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