梅雨のプール~溺れる僕の腕をつかんだのは君~
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梅雨のプール~溺れる僕の腕をつかんだのは君~

榎戸鍵/冬乃郁也

梅雨の雨が重い

ネタバレ
2023年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 重すぎる内容になかなか読み進められず、それでも続きが気になって仕方ない作品でした。りひとかまひろが女性の設定だったら、メジャーな文学賞もいけるんじゃないかというくらい純文学を読み終えたような感覚でした。ラストの、父、叔父、一秋と京介を巻き込んだあたりの展開はちょっと急ぎすぎな感じがありましたが…。まひろが嫌いって読者は多そうだけど、あのしたたかさはある種小気味良い。個人的には最初から、りょうが諸悪の根源だと思って読んでました。気怠く、重く、ざらざらヒリヒリする。人の業。犯罪すら隠蔽してしまう家系。レビュワーさんが教えてくれたnoteのSSは、曇天の切れ目から差し込む天使の梯子のよう。でも、それも束の間のような…。りひとは大学を卒業しても社会へ出られるのだろうか。未来の見えない2人に、穏やかな日々が続くことを願います。
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