「す」のつく言葉で言ってくれ
」のレビュー

「す」のつく言葉で言ってくれ

高野ひと深

担当さんが暗いと評した事の意味わかる

ネタバレ
2023年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 会長自身の明るさや健全な自己愛が、眩しくて、キラキラと輝いて、誤魔化されそうになりますが、ふとした瞬間に漂う陰気さ、息苦しさがあることは否定しきれません。乙坂はコーチのことすきだったのか?会長がそれは「恋」だ、と名付けた瞬間から余計なことを考えるのやめただけなんじゃないか?本当は嫌だっただろ。だって、そういうことされてるシーンの回想、乙坂の顔ひどいもん。絶対合意じゃないもん。詳しい情報がなさすぎるので想像だけど、コーチとしての人柄と憧れや尊敬を混同しているだけなのでは?会長は、あまりにも無責任なことを乙坂に言ってしまったと思うよ。でも、その罰は会長自身に返ってくるというね…。うーん、なんて暗い話なんだ。アホエロギャグかと思って読み始めたわたしを殴りたい。試し読みで読める範囲からは想像もできませんでした。でも、乙坂はこれは恋なんだ、と思うことによって救われていたのかな。私はそれ認知の歪みでしかないと思うんだけど、現実から目を背けることによって救われるということはあるし。みんな、どこかしら歪みの中で生きているという感じだ。表題作の後にくっついてる短いお話もそう。学くんのこと好きだったけど、その彼氏のことも好きに……???みたいなお話。お話が短すぎて、安易にこういうことだろ、と決めつけるのも憚られる。個人的には、もう誰かのもんになった人に横恋慕というか、秋波を送るキャラは好きじゃないので、続かなくて良かった。誰も幸せにならない未来しか見えないんだが…。紙面の明るさと読者の気持ちがどんどん乖離していくような、不思議な漫画です。作者さんは自分のこと暗いと思っていないそうなので、こういう現象が起きるのでしょうか。これは、読む人を選びそうな感じです。手放しにこれオススメです!大好きです!とは言い難いです。「俺はなんて罪な男なんだ…」〜ナルシストな男が出てくる特集〜とかまとめられてたから、ギャグ路線かと思った私が悪いんですけど、なかなかヘビーな作品でした。でも、面白かったので星5です。会長のキャラは面白くて好きですし、絵も高校時代と大学生編とで差があって細かい違いにも萌えます。2人のエチがなかったのは残念。会長が受けなんだよね?(そこから?)
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!