ヒメゴト~十九歳の制服~
」のレビュー

ヒメゴト~十九歳の制服~

峰浪りょう

「青春」から一歩外に出た

2014年1月5日
大学一年生の三人を軸にお話が進みます。タイトルにも書きましたが、「青春」の言葉でくくれる高校生という領域から一歩踏み出したその年齢の人間関係や恋物語は、高校生のような甘酸っぱさをどこかに残しつつも、深くいびつに絡まり合い、だけれど大人のそれのようにねちっこく醜いものではない…まさに絶妙です。背伸びをしても大人へはまだ届かない、かと言って振り返っても高校生には戻れない。そういった苦悩でさえ真っ直ぐに言えない。もどかしい思いが人間関係の難しさをリアルに物語っています。私自身もつい引き込まれてそれぞれに感情移入してしまい、いい意味で後味の悪さを感じながら読み進めている毎日です(笑)どのレビューでも口を揃えたように書いてありますが、読み出すと本当に止まらないので気を付けて下さい。
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