このレビューはネタバレを含みます▼
驚嘆するほど美しい画です。作品が嫣然と微笑んでいるかのようで心を射抜かれました。小説を読みつつ、こちらの漫画も読みました。レビューにありました様に、小説には挿絵がありませんでしたので、イメージを補完するつもりで読みました。小説と読み比べると、漫画の方は重要な場面にテンポ良くナビゲーションしてくれている印象です。ですが小説の奥深い世界観を存分に堪能するなら、やはり小説の方もお読み頂くことをオススメしたいです。
こちらの漫画はフルカラーで豪華です。花城が小説の中のイメージより野性味が強く大人びて艶美な感じがしました。そして殿下の清らかな眉目秀麗ぶりに瞠目しました。神武大帝君吾も想像以上に格好良かったので嬉しくなりました。小説の中より、太子殿下と花城の距離が近いような感じもしますので、漫画の方も心ときめく要素が沢山あります。例えば半月関から戻ってきた殿下と花城が菩臍観で一つの寝床(といっても蓙の上)で色々語らっているシーン。小説ではそこまで詳細には描かれてはいませんでしたが、殿下の枕は花城の赤い上着のようでしたし、殿下を見つめる熱い目とか殿下が背を向けた時に殿下の髪の毛を一筋手に取り、愛しそうに口づけていました。あと花城が描いた「太子悦神図」は仮面で覆われていないのですよね。そういうアレンジは小説の描写を補完してくれているのかもしれません。本作品は小説と漫画の両方を読むことでより楽しめると思います。
漫画は毎週配信されていますので、まだまだ楽しみで
す。花城の右手中指に結ばれている赤い糸も気になっています。漫画だと花城がその赤い糸を指で弄んでいると、殿下が左耳付近の髪の毛をむず痒そうにいじっているようなシーンがありました。何か深い意味がありそうです。
墨香銅臭先生の他の作品も読みたくなり、今は『魔道祖師』も読み始めました。何も手をつけられなくなるほど続きが読みたくなりますので、既に魔道に落ちているようです。恐ろしいほどの面白さです。