残酷な神が支配する
」のレビュー

残酷な神が支配する

萩尾望都

闇が終わるところに光がある

ネタバレ
2023年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 雑誌掲載時にリアルタイムで読んでいました。読んでいる途中で気分が悪くなることも多々ありましたが、最終話まで読み続けたのは、こんなに救いのない物語がどのように終わるのか興味があったからです。最終的には、全員に完全な形ではないにせよ救いがあるし、穏やかな場面で終わりますが、そこに至るまでの過程が、たまらなく苦しくて長い。しかも最後の最後に、グレッグ自身の過去の苦悩を見せられては、グレッグを憎むこともできなくなってしまう…ずるいでしょ。最後にそんな種明かしだなんて…。さまざまな登場人物の、それぞれの過去の心の傷や闇を通して、実に色々と考えさせられる作品でした。こんな作品を描ける萩尾望都さんは、本当に偉大だと思います。
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