紺碧にポラリス
」のレビュー

紺碧にポラリス

いとだ旬太

共依存からの成長

ネタバレ
2023年12月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白かった。人魚が存在することが認知されているが、あまり交流がない世界観。受けが子供の頃に海で攻めを拾って以降兄弟のように幼馴染のように一緒に育つ。攻めの声は特殊な周波数で何故か受けにしか声が聞こえない。当たり前に人魚の攻めが受け入れられていて一緒に高校生している世界観も面白かった。何千年も長く生きる攻めがこの先の孤独を恐れる気持ちや、自分だけに関心を寄せる攻めとの二人だけの閉じた関係をダメだと思いつつも喜びを感じていて動けない受け、二人の心の葛藤の描写がエモーショナルで良かった。受けと出会った時は海の底に連れて行って二人で暮らそうと思っていた攻めが、幼い受けの成長を待って陸で暮らしているうちに変わってしまう描写がとても印象的で好きでした。本を読むのが好きで、外の世界への興味が抑えきれなくて、だけど受け以外のものを好きになるのが怖い攻め。受けの両思いなのにちっとも嬉しくないというセリフも印象的。
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