女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け
」のレビュー

女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け

練間エリ/石田リンネ/ごもさわ

ミステリー?

ネタバレ
2023年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ これどのあたりがミステリーなのですか? 「犯人は誰?」「わずか10日の命の刻限」と、読者もワクワク推理して楽しむ筈の過程が、蓋を開けてみれば、非常に薄くて読み応えが無く……私的意見ですが、これをミステリーに分類して欲しくはない。命の刻限も切迫感が全くない上に、逆転ざまぁ感もない、一体何処で盛り上がればよろしいのですか? そして犯人にも真相にも、ガッカリしました。これはないな。行き当たりばったりの計画性もなければ、動機もくだらない。出たよ、偶然で成り立つ密室設定に、お飾りの見取り図。実の無い戦争議論。呪いの肩透かし感と蛇足なファンタジー縛り。「なんだそれ」って感じです。2巻で終わってくれて良かった。いや、1巻読み切りでも良かった。作中には事件の伏線もなく、オフィーリアが勝手に都合よく真相に近付き、しょぼい事件解決状況。女王なのに臣下達や政敵を奸計に巻き込む能力もなく、ご都合的な排除の流れ、当て馬くんは魅力ないし、結局、王配の「死んでくれて有難う」真意も不明なまま。王配の彼の立場では、女王陛下が死んでしまえば、がっつり背後を固められた王弟が王座を取り、自分は地位を追われるだけなのですが? 何の有難うだよ。意味判らん。死に戻り彼女の方が魅力的って、意趣返ししていく心境も何だかねぇ……。1巻序盤の国葬シーンだけ、カッコ良かったと思います。ここで作品に対して、過度に期待してしまいましたから。
いいねしたユーザ6人
レビューをシェアしよう!