かんかん橋をわたって
」のレビュー

かんかん橋をわたって

草野誼

嫁姑ハルマゲドン+シスターフッド

ネタバレ
2024年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「愚者の皮」の草野誼先生の嫁姑地域社会一大叙事詩大河ドラマ。個々の嫁姑関係も類型によらず、10巻というボリュームを感じさせない。正直画力がめちゃめちゃ高いわけでもないので絵面がかわいくなっているmpがおどろおどろらしさを中和し、おとぎ話・寓話感を演出。炊飯の水を抜くとか、マイルドな嫌がらせから始まって、衣装ダンスの防虫材を抜かれるとか、仕返しが生乾きの半襟を着物ダンスにいれてカビさせるとか、悲鳴ものの、嫁姑の闘いが繰り広げられエンタメ性抜群。ジェンダー間、世代間、親子間のずれと反発、和解、共感、共生は、古の萩尾望都、大島弓子漫画のよう。後半、嫁姑が手を組み、ラスボスを倒しに行く展開はマーベルか少年ジャンプの熱さ。最後仇敵同士が手を取り合い旅に出るのは横溝正史版テルマ&ルイーズ。いや、そうはならんやろ、という展開が相次ぎ、インド映画のよう、と表現する方もいるのも納得。楽しめます。お勧め。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!