雪人 YUKITO
」のレビュー

雪人 YUKITO

大沢在昌/もんでんあきこ

脇役たちが濃い

ネタバレ
2024年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 共感できるかできないかは別として魅力的な登場人物達でしたが、そのなかでも宮本がとても好きでした。渋い見た目と生き様のカッコ良さ、少しだけ描かれた若かりし頃の宮本に崩れ落ちそうになりました。続きが気になって一気に読み切りましたが、圧巻の最終巻では宮本に泣き、アキラに胸が痛みました。血のつながらない雪人とアキラを自分の息子だと言っていた呉林、雪人のことは最後まで気にかけていたようですが、アキラには罪を重ねさせ、最後の命令では幼い頃に悲惨な体験をして傷ついている(感情を失った)アキラをさらに傷つけた。結局、呉林にとってアキラは自分の理想(裏と表が融合する、中庸のバランスを保つ世界)を叶えるためのコマでしかなかったのでしょうか…。自分の犯した罪は償わなければならないけれど、アキラのあの「おかあさん…」という言葉に、なんだか悲しくなりました。※もんでん先生の老若男女、個々の人物の描き分けが凄かった!
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!