手中に落としていいですか【単行本版】
」のレビュー

手中に落としていいですか【単行本版】

くれの又秋

苦手意識さえも克服させる魅力的なキャラ

ネタバレ
2024年1月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 4巻まで読みました。特に地雷という程のものはなくても苦手なものはあって、私の場合は糸目がその内の1つです。理由は、単純に「イケメンではないから」なんですが…であるのに、巳鹿島はカッコいいとは思わないまでも、なんか目が離せなくて気になるキャラではありました。何なんでしょうね、何かコイツ胡散臭いなと思いながらも、裏社会的な暗さや悪さはない気がして、安全ではないけど危険でもないだろう勘が働くんですよね。だから警官である新田も割と簡単にホイホイ的に着いて行ったんでしょうし。
1・2巻までは私も(多分新田も)巳鹿島発言を本気にしていませんでしたが、3巻からグッと真剣さを増してきて、見た目(糸目)うんぬんよりも中身に惹きつけられました。4巻では「今まで胡散臭いとか思っててごめんなさい」と謝りたくなるくらいの本気度を見せつけられて、不覚にもコロっといってしまいました。新田も巳鹿島の咄嗟の行動に、今まで飄々さに隠されてた真意を知って心を開いた感じで、自分の気持ちと向き合って全身全霊で応えようとしていたのが伝わってきました。
まさか自分が(中身であれ外見であれ)糸目をカッコいいと思う日が来るとは思っていなくて驚きましたが、苦手意識さえも克服させる魅力的なキャラでありストーリーだと思います。重くも軽くもないけど不思議に読み応えがあって、まだまだ先が楽しみな作品です。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!