BANANA FISH
」のレビュー

BANANA FISH

吉田秋生

☆の数をつけるなんて出来ない、私の宝物。

ネタバレ
2024年1月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 当時、片っ端から少年少女、青年に至る月刊誌・週刊誌・小説を読み漁っていた中で、初めて目頭が熱くなる程度では済まされず本当に涙を流し、この作品の中で生きた私。登場人物の個性、キャラ立ちとは言いたく無い、実際に生きて皆んなの人生を感じた。
少女漫画の週間・月刊誌の中で学生の恋愛が主流、ファンタジー(漫画全てファンタジーですが、人外と言う意味で)もあれど、バナナフィッシュは当時の私の世界観を飛び抜けてぶっ壊した。あの頃の私の中の感情やら何やらを引っ掻きまわし鷲掴みされ、貫かれた。
魂の片割れの様な二人の関係性に恋をした。雑誌で追いながら、単行本を揃え友達と回し読みし、人生の年表グラフに「黄色」が刻まれた。実家から独立し、遊びを覚え漫画や小説から離れた時も、引っ越しの度にも、何度も手放しては買うを繰り返した唯一の作品。
今にして思えば少女漫画雑誌で掲載していた不思議はありますが、BLなのかどうかのカテゴリーなんて関係無い、アッシュと英二の人間愛だ。確かにアッシュは英二を愛して、英二も愛した。それを色分けする必要なんて無い。
涙でぐにゃぐにゃに波打った19巻、未だ読んでは辛く苦しく切なくなる。お気に入りのほとんどを電子に買い替えましたが「バナナフィッシュ」は紙本で持つ私の宝物。勿論、面白い漫画や小説、自分の性癖にブッ刺さる推しの作家様・作品は多くありますが「バナナフィッシュ」はもう別枠殿堂入り、永遠にピラミッドの頂点に君臨です。
多感な年頃に読んだせいもありますが、何十年経っても色褪せない唯一無二の「黄色」。この気持ちを誰かと、皆様と共有したいです。
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