上巻までは良かった…





2024年1月25日
上巻までは柴田と春人の悲しい別れ、滝の届かない思いを描いていた。ここまでは良かったのさ。下巻になり、宗教団体?復讐?などが始まり、柴田さんの心を解すためのストーリーとしてはイマイチに思えた。また、柴田さんの心境の移り変わりや行動が、理解しがたい。説得力がないというか。そして何より、あの幽霊のくだりは無いよ。迎え火で春人が現れるって、どうなんだろう。柴田さんの心残りを癒すにしても、本人は覚えていないとか。あのくだりは本当に無いと思った。もっと柴田さんと滝が、心を通わせ、積み重ねていく話を中心に描いて欲しかった。ただ、上巻の春人は泣けた。生きて守ることより死ぬことで守ることを選んだ。戦いに向かう春人の表情が辛く悲しい。愛する人と平穏に生きる道を、政府によって絶たれた憎しみ。この辺りの心理描写は本当に素晴らしかった。下巻の流れが苦手だったが、非常に高評価だったので、私個人の好みの問題だと思う。

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