書き損ないのつくりごと
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書き損ないのつくりごと

宇肘

思春期の鬱屈と両片思い

ネタバレ
2024年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白かった。両片思い。中学1年生、本好きな積川と枝折はすぐに仲良くなる。だけど積川は自分とは違い世界が広がっていく枝折を思春期の自意識や卑屈さで突き放してしまい疎遠に。中学生の頃の引っ込み思案でシャイな枝折の雰囲気が可愛かった。その後大学生になって再会して、今も小説を書いている枝折の手伝いをすることになる。枝折を突き放した「あの日」からまた友達をやり直せるのか、戻れるのだろうかと二人は手探りで距離を詰めていく。だけどお互いがちゃんと友達でいようと無理をしているのでギクシャクして焦れったい。傍から見ると枝折の積川への気持ちが丸見えなのが可愛かった。積川と話す時、ちょっと屈んで顔を覗き込むようにして凄く優しい顔をしたりする。間違ったってまたそこから言葉を尽くしてやり直そうという二人の関係性が良かった。
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