絶品!幽玄の世界、文句なし!!





2014年1月31日
古代中国の神、人、妖が一緒にいた時代の奇譚。主人公は半妖の道士 鬼張と風神 山揮。重く哀しい数奇な運命を背負う二人の旅物語だが、それを取り巻く登場人物の背負うやはり数奇な運命というか宿命も重く哀しい。昨年の夏から少しずつよんでいて、最近やっと全話読み終えました。鬼張の兄の鬼張に対する仕打ちもやむに止まれぬ事情からと後半明らかに。山揮の両親や叔父、風伯の事情も明らかにされ、各々の背負うものがあまりにも大きすぎて哀しく涙ながらに読みました。勿論、他の登場人物の背負うものも重く哀しいですが、きりがないのであしからず。ですが、コメディタッチでの箇所もあり、単に哀しいだけの物語ではありません。毎回、短編で一話ずつきりがよくよみやすく、専門用語が出ていても丁寧に解説してあり、至れり尽くせりです。が、なんといっても特筆すべきは美しすぎる繊細かつ力強い画力でしょう。綺麗というにはあまりにも軽く、表現力の乏しい私では上手くあらわせませんが、とにかく美しい。何度も読み返したい作品です。

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