宙の入り江
」のレビュー

宙の入り江

どつみつこ

味わい深い作品です

2024年2月4日
質の良い作品とはこういう物の事を言うのではなかろうか。

全体で110ページ程。
光と影の陰影が夏の離島の空気感を読み手の記憶から引きずり出します。
さもワケありっぽい登場人物達ですが、表情や間や自然なセリフにどんどん惹き込まれていきました。

人との繋がりに疲れ喧騒を逃れて一人流され、たどり着くのは穏やかな時間と人との交わりで形づいた自分の場所。
ひとりの時間の静かさを直接描いてはいないのに作中の至る所で感じ取れる小説を読んでいるような作品でした。

数多の星の中に身を置いた時の没入感を想像しながら読みました。肉体は霧散して核飲みになった後、改めて見つけたものは何だったのか。
ひとつは間違いなくかけがえの無い友情で、なんと美しく微笑むのでしょうか。

1巻無料&50%クーポン。
こんないい作品がそんなお得ある?って心底思いました。

先生の作品はBL以外は初めて読みました。
やっぱりすごく好きだなぁ。
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