セクシー田中さん
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セクシー田中さん

芦原妃名子

止まった物語は、読み手の意志が繋いで行く

2024年2月11日
好きな女優さんの初主演作品にして『普段は冴えないOL。夜はセクシーなベリーダンサー』(だったかな?)的なキャッチコピーに引かれ、ドラマを録画した。
未だにドラマを見る気にならないが、ドラマ視聴して「原作マンガも読んでみたいくらい面白い!!」という流れだったなら、どれだけ良かっただろうか?
さておき
私が面白い漫画と思う作品の特徴に、主人公以外の登場人物の描写が上手に落とし込まれている作品が多いように思う(ストーリー進行に脱線しすぎない程度にだけど)。
主人公の田中さんを取り巻くキャラクター達の内面(過去の出来事)も表現されており、生きた登場人物が描写されているなと、感じた。
個性はあるけれど、主要登場人物の全ての優しさ=作者の人間性なのだろうなぁと思えた。
この作品は、一心不乱に頑張っていたり、ふと立ち止まった時に何かに不安になる、今を生きる人達への作者なりの応援歌だと、私は捉えている。
特に、主人公の田中さんの思考って他人の気がしなくて、感情移入や共感をしてしまった(そこに性別は、おそらく関係ない)。
私は田中さんよりマイナス思考だし、ベリーダンス的な趣味も特技もない。
だけど「背筋を伸ばす事を意識して、僕も生きてみるよ」
そう思えた作品。
芦原先生へのご冥福を、レビューに変えて一筆。
※2024年3月に読了後、レビュー再編集。
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