CLAMP PREMIUM COLLECTION X
CLAMP
このレビューはネタバレを含みます▼
「ぼくに好きな人なんかできませんよ」に対する星ちゃんのお母さんの答え「私もそう思っていたわ、あなたに会うまで」という台詞、初めてXのコミックを読んだ時にはまだ大学生でしたが、ボロボロ泣いたのを思い出しました。自分を変えてしまう人というのは、いるんだよね。思いもよらない時に出会い、それと気づかないままに失い、失ってから大切だったことに気づく。後から振り返っても、あの流れを止められたとは思えず、結局未来は変わらない。でも、願わずにはいられない。別の結末を。物語はあまりにも残酷で、非現実的で、でも人々の抱く思いはすぐ側にありとても切実。12巻で昴流の目、封真がえぐったのどうでもいいなんて思ってる人の目じゃないよー星ちゃん。BabylonからXを経てこの2人の関係にひとまずの決着がついたことは嬉しいのですが、封真と神威の2人もなんとかして下さい、先生。聖伝みたいに2人だけの楽園で生きることになっても良いんだよ。それが本当に神威の願いならね。この作品の数ある凄いところを一つ挙げるとすれば、あの昴流に「誰もが幸せになる道なんてないんだよ」という台詞言わせたところだと思う。Babylonのころは、そういう過激な台詞を言うのは北都ちゃんで、昴流は自分自身に対する事以外でネガティブなことなんてまず言うことなかったのに。まるでかつての自分と星ちゃんみたいな神威と封真。そばにいる事自体辛かったと思うのに、昴流はずっと優しかった。そんなにも優しかった人が、誰にどう思われてもいいやって、自分の生き方を変えたんだよ。
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