九尾の狐と子連れの坊主―永遠に―
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九尾の狐と子連れの坊主―永遠に―

三原しらゆき/りんこ

大団円!!

ネタバレ
2024年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ これまで散々人外モノを読んできた私、寿命の違い問題はだいたい人外側に合わせられたり、人外が人間になったりして解決するのが定石だと思っていました。
が、こちらの作品はしっかり人間の世界で時間が過ぎます。円楷も円仁ちゃんも歳を重ね、シワが増えていくのですが、妖狐である玉嵐もその隣で同じ時間を過ごして、そのうえで円楷と文字通り最期まで添い遂げるのです。もうね、それが本当に素晴らしくて……周囲の人たちと触れ合い、支え合い、関わり合いながら豊かな人生を歩んでいっているのがハイライトでもよくわかるんです。
歳を重ねて孫もいるおじいちゃんになった円仁ちゃんが子どもの頃に戻って、円楷と玉嵐と夢の中で会うシーンは涙なしには読めませんでした。
シリーズ3作を通して中弛みもなく、人と人の優しさを描き続けてくださって本当に感謝と感動しかなく……。人外モノの新しい解を見せていただいた気分です。ぜひ皆さんに読んでほしい作品です!名作!!
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