ぼくは麻理のなか
」のレビュー

ぼくは麻理のなか

押見修造

臨場感

2014年3月1日
憧れの「女」子高生になってしまった「男」がドキドキハァハァする臨場感を、さらに「女」の立場(私)で読むと新鮮で面白い。女性なのに女子更衣室で手に汗握れてしまう。話は半ばで、主人公の目を通して麻理ちゃんの知られざる本性が明らかにされていくのが楽しみです。でも、読者が見せてもらえるのは「美化された観賞用の醜悪」で、今のところリアルなヨゴレは一切省略。つまり麻理ちゃんを神聖視する主人公は着替えでも風呂でも目を瞑っているからムダ毛処理どーすんのなどとは考えない。ファンタジーですね。『悪の華』と比べると、主人公が大学生ということもあり思春期的なクサさは少ないですが、人間のドロドロした内面をマゾヒスティックに美化して自己陶酔する芸風は相変わらずの模様。
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