特装版 恋をするつもりはなかった-double-【電子限定描き下ろし付き】
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特装版 恋をするつもりはなかった-double-【電子限定描き下ろし付き】

鈴丸みんた

作者がキャラを大事にしてくれなきゃ※追記

ネタバレ
2024年2月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 単話レビューが狼への怒りで荒れてたのを、先生見たのかとあとがき読んで思いました。

狼への苛立ちは置いて、作品として面白いかどうか、もう一度読み直しました。結果は評価の通り。話の組み立て、盛り上がり、掴み、キャラの魅力を引き出した描き方など、全体的に浅く、良い点が見つかりませんでした。

今までの作品はBL初心者にも馴染みやすいイケメンや美形の受けがいたり、話もBL王道の良さがあって、好きな作品が多かったんですが、今回は何を描きたいのかよく分からなかったです。

当て馬って、主人公達を掻き回しても最後には愛を深めるのに一役買ってくれる重要な役どころなのに、ニコには荷が重かったみたいで、好きにも嫌いにもさせてくれなかったです。スピンオフ意識してるのも興覚め。

先生は悪化する狼の状況を面白いと書いてたけど、読者のほとんどは怒り×白けてたと思います。悪化する状況を話として面白くするのは作者の腕次第です。キャラの深掘りが疎かで見た目の派手さだけで軸はブレブレのニコに興味が持てないのに出続けてるので、飽きました。空回って軽薄さしか感じない狼と2人の場面は、つまらなかった。

佳乃、主人公なのに影が薄くて出番少なすぎ。当事者なのに傍観者みたいでした。最終回で立て直し図ってたけど、結局いつも通り佳乃が我慢して、無理やりエンド。誰にも共感出来ない流れが出来てしまってました。

描き下ろし、望みをかけましたが、夢から醒めててもう無理でした。今更溺愛してる狼見ても、先生からのお詫びみたいで。デッサンが崩れてるのも気になりました。描きわけも難しいんだなって。

原点に立ち返って、先生の作ったキャラ達、読者の思い入れと同じくらい大事にしてほしいです。久々に1巻読んだら、2人とも恋するひたむきさがあって悲しくなってしまった。スパダリじゃなくても、欠けてても、クズでも、惚れる攻めは沢山います。狼をそう描いてくれなかった残念な気持ちが、1番強いかもしれません。
先生が描いてたキュンとするBL、また読ませてください。
※追記「フリーならあり」を反芻。遊びまくってた狼にとって、佳乃は初めての感情を持てた、唯一の存在だと思っていたのに、佳乃に抱いた感情を今後他の人にも持つ可能性を(しかもお付き合い中に)示唆した衝撃。そんなもんかぁと。恋愛経験不足でなく人間性の話ではないかと。
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