死神は殺せない
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死神は殺せない

三日ミタ

死神が人の運命を変えた時

ネタバレ
2024年2月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い時からしばしば死に至る危険に晒されてきた真白瑛士は、その度に自分を守ってくれる黒い存在を身近に感じてきました。常に自分を庇護してくれるその存在は、いつの間にか瑛士の中で恋愛対象となり、狂おしく切ない想いを抱くようになっていました。ある夜、マンションのベランダに腰掛けて「飛び降りたら会えるかな?」と考えていた瑛士の前に不気味なマスクをした男が現れます。男は自分は死神で人間とは馴れ合わないと言い、自分を守ってきてくれた恩返しをしたいという瑛士を拒否します。このまま消えさせてはなるまいと、瑛士は「消えるんだったらこのまま飛び降りる」と死神を脅します。そこから死神ケイレプは、いつも瑛士の側で瑛士を見守るようになります。食事を摂らないケイレプに、カフェの料理人である瑛士は一緒に食事をしてくれるように頼み、色んな話をするうちに、自分は6歳の時に死ぬ運命だったことを知るのでした。やがてケイレプ以外の死神コナーが現れて事態が動き始めます。恋という観念の無いイケメンエリートな死神と、死神を幼い時から一途に想ってきた青年とのちょっとダークでファンタジックな恋物語は、なんだかんだと瑛士に極甘なケイレプが愛しく、意外な展開とハッピーな着地で読み応えがありました。
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